深ヨミ

出版社「荒蝦夷」代表 土方正志さん
被災体験をどう引き継いでいけば?

2021/04/01 00:00

【仙台の出版社「荒蝦夷」代表】土方正志さん(ひじかた・まさし)=58=1962年生まれ。北海道出身。東北学院大卒。民俗学者赤坂憲雄氏に誘われ、2000年から仙台を拠点に雑誌「別冊東北学」などを出版。荒蝦夷では雑誌『震災学』などを刊行する。

土方正志さん=仙台市



大事なのは想像力/理解したい、寄り添いたいと思うこと



 仙台市に、社員わずか2人の小さな出版社がある。「荒蝦夷(あらえみし)」。荒蝦夷とは、古代朝廷の支配に抵抗し続けた東北の民を指す。代表の土方正志さん(58)はフリーライターとして阪神・淡路大震災をはじめ全国の被災地で取材を重ね、2005年に同社を立ち上げた。そして、11年3月11日。東日本大震災に見舞われる。著書「瓦礫(がれき)から本を生む」(河出文庫)などに、生々しい記憶や抱え続ける苦悩、葛藤をつづる土方さん。今も神戸の書店や出版社、被災者らと交流を続けている。東北の被災地は3月、10回目の「あの日」を迎える。実際に会って、聞きたいことがたくさんあった。雪のちらつく仙台へ向かった。(末永陽子)


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