誰とでも話し合う覚悟/自分は正しいか、常に問う
「愛国」という言葉が隠れみののように使われている。公共の場で反中国、反韓国の差別的言動(ヘイトスピーチ)を展開し、インターネットで右翼的、排外主義的な書き込みを繰り返すネトウヨが「愛国者」を名乗ることの不思議さ。ドキュメンタリー映画「愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」は新右翼団体「一水会」の元代表に密着し、ちまたの愛国者に本当の「愛」があるのか、と問う。暴力をも辞さない思想と裏腹に映画の中の鈴木氏は老若男女、右からも左からも慕われる好々爺(や)の顔を見せる。在日外国人労働者や原発事故後の福島の問題を取り上げてきた中村真夕監督が「今、撮らなければ失われてしまう」という危機感から撮影を始めたという。(片岡達美)
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