深ヨミ

1947(昭和22)年

2021/08/11 14:00

※記事中、太字の記述は当時の新聞紙面から引用しました(言葉遣いは一部わかりやすく変えてあります)。また撮影場所の住所表記は、当時の表記に準じています。



1復活する港町


しのぎ削る沈没船解体


(7月14日掲載)【場所:神戸港】



沈没した船を引き上げて鉄板を切断し、くず鉄にして売る作業です。サルベージ会社同士が争って船を解体しました。「耳をつんざくけたたましいハンマーの断続音。灼熱火を吹くガス切断機から乱れ飛ぶ鋼鉄の火花。やけつくような炎天下ぐっとかみしめた真剣な面差しは海運再建の意欲に燃え、躍動する赤銅の半裸体に汗が油にまみれてりんりとほとばしる。



きょう民間輸出貿易一部再開


(8月15日掲載)【場所:神戸港】



終戦2年となるこの日、政府とGHQの管理の下で民間の輸出貿易が一部再開され、紙面は「喜びの日」と見出しをとっています。戦勝国側から見れば日本に対する「経済制裁の緩和」でした。それまで貿易は日本政府とGHQの完全な統制下で「生存のための貿易」と呼ばれ、輸入は半分以上が食料品でした。


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