※記事中、太字の記述は当時の新聞紙面から引用しました（言葉遣いは一部わかりやすく変えてあります）。また撮影場所の住所表記は、当時の表記に準じています。

1時々刻々

カモシカ到着

（１月１９日掲載)【場所：神戸市兵庫区の神戸新聞社前】

神戸新聞と王子動物園が協力して奈良県内の山地でカモシカ２頭を捕獲し、トラックで神戸に運んできました。カモシカはちょうど山羊ぐらいの大きさ、濃いネズミ色のふさふさとした毛に包まれ４寸ぐらいの特有のツノが印象的、２頭ともいたって元気だが、全然街の空気になれてないので市民のみなさんにお目見えするのは数日先になろう。

決死のカモシカ捕獲ルポ

(１月２０日掲載)【場所：奈良県の大台ケ原付近】

カモシカ捕獲は記者、カメラマン、王子動物園の職員が地元の猟師と８日がかりで実施。吹雪が荒れ狂う中、記者は断崖絶壁を滑り落ちるなど苦労を重ねました。猟犬で追い詰め、最後は猟師が投げ縄をかけてねじ伏せました。じりじりと縄が引き寄せられるにつれてカモシカの首が猟師の方に振り向いた。その黒い短刀のような２本の角が不気味に光る。断崖の上に張られた１本の綱に結ばれて人間とカモシカのすさまじい死闘が展開されたのだ。

　残り文字数 5581 　文字　記事全文 6047 　文字