「けったいな」研究に情熱/集団行動に潜む謎を解く
「まるでニンジャだ!」。新型コロナウイルスの感染が広まる前、東京・渋谷のスクランブル交差点の光景を見た外国人観光客がこう漏らしたとか。さまざまな方向から流れ込む約3千人の歩行者が、ぶつからずに横断していく様子は何とも不可解で、人気の観光スポットになっていた。なぜ対面からやって来る人とぶつからないのだろう。京都工芸繊維大学(京都市)助教の村上久さん(34)は歩行者の動きを、群衆実験を通して解明し、この秋、ユニークな研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」を受賞した。そこで研究室を訪れ、「先生、どんな研究を進めているんですか」と聞いてみたところ…。(末永陽子)
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