【写真上】父茂也さんの遺影を前に、思い出話に花を咲かせる(右から)野中悠樹と母の昌子さん、兄の龍治さん=尼崎市内
■家族
前回に続いて、野中悠樹(43)を支える人たちの話を届ける。
野中が40歳の敗戦で全ての団体の世界ランキング(15位以内)から陥落したとき、試合後にリングにキスする姿を見て、周囲は“引退の儀式”と受け取った。それを「いや、辞めへんやろな」と見抜いていた人がいる。兄の龍治さん(45)だ。
「あいつは昔からしつこいんですよ」。そう言って、幼い頃の兄弟げんかの話をしてくれた。「いつも負けるのに、泣きながら何回も向かってくる。とにかく負けず嫌い。あの試合も完全な負けではなかったから、納得してないやろなと思ってました」
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