【写真上】練習前の空き時間。商店街をぶらっと歩く野中悠樹=尼崎市内
■離婚の決断
30歳で日本スーパーウエルター級のベルトを巻いた野中悠樹(43)は2度の防衛を重ねた。さらに、東洋太平洋王座も奪って2冠の王者となる。
だが、プライベートではつらい別れを迎えようとしていた。
この連載の4回目で書いたように、ボクサーの生活は不安定だ。20代前半で結婚した野中には、娘が2人いた。会社勤めをしたこともあったが、競技との両立が難しく退社した。妻は働いて応援してくれていたものの、一方で「福利厚生のある定職に就いてほしい」とも願っていたという。気持ちが少しずつ、すれ違うようになっていたようだ。
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