深ヨミ

<10R> 「たわごと」が、現実になった

2021/12/07 17:30

【写真上】日本王者に輝き、ベルトを掲げて喜ぶ野中悠樹=2008年9月22日、大阪府立体育会館(山内城司さん提供)


■初のベルト


 人生唯一のKO負けを喫した野中悠樹(43)は、新人王の道を閉ざされた。当時24歳。ここで「何回負けても、必ずチャンピオンになる」と宣言する。


 ボクシングへの熱い情熱は変わらない。その熱意に、桂伸二トレーナー(50)も腹をくくった。だが、現実の成績は平凡な5勝4敗。「今考えたら、野中もあの成績でよう『王者になる』って言いましたよね。ほんま〝たわごと〟ですよ。あの頃の僕らの会話を聞いたら、みんな『漫才か』って笑いますよ」。桂トレーナーが当時を振り返って、笑った。


 チャンピオンベルトはまだ遠かったものの、野中はスーパーウエルター級(制限体重69・85キロ)で6回戦、8回戦と順調に上がっていった。昇格すれば、試合のラウンド数が増える。その分、駆け引きに時間を使えるようになり、離れて戦うアウトボクサーの特徴が生きてくる。


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