【写真上】プロデビュー当時からつづる練習ノート。体重や体調などを記録し、調整に活用している=尼崎市内
■新人王戦敗退
21歳で迎えたプロデビュー戦で、野中悠樹(43)は鮮やかなKO勝ちを収めた。なのに、そのわずか3年後、最初の引退危機が訪れる。何があったのだろう。桂伸二トレーナー(50)に聞いてみた。
プロボクサーの登竜門は新人王戦だ。各地区を勝ち抜いて全日本を制すれば、日本ランキングに入る。しかし野中は、2000年から2年連続で初戦敗退してしまう。
3年目にやっと1勝したものの、次の試合で競技人生唯一のダウンとKO負けを喫する。対戦相手も離れて戦うアウトボクサーで我慢比べとなり、野中が辛抱できずに前に出た。そこへ、あごにカウンターパンチが入り、思わず尻もちをつく。そのまま敗戦。これで通算成績は5勝4敗。振るわぬ数字に加え、新人王戦の出場資格も失った。
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