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播磨の西端に位置する兵庫県佐用町には、50を超える山城跡が残る。「あたかも雲を突くがごとき威容」を誇った利神城跡、織田勢と毛利勢の合戦によって半年間で2度も落城した上月城跡が、特に有名。今回の佐用新聞は、利神、上月以外にも山城ファンからひそかに人気を集めている「仁位(にい)山城」「高倉山城」の2城を紹介。佐用の山城の奥深さを紹介する。(勝浦美香)
戦の名残 高い堀切跡
旧上月と佐用、南光各町にまたがる高倉山(357メートル)に築かれた山城が、高倉山城。鎌倉時代の築城という説もあるが、はっきりとした史料は残っていない。初めて文献に登場するのは南北朝時代後期で、上月合戦においては、籠城する尼子勝久の救援に駆け付けた羽柴秀吉が本陣を構えたことが記されている。
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