「自分なら」と想像する/体験に近づく力に
ありったけの地獄を集めた-。そう形容される沖縄戦の実相を、戦場に動員された学徒の視点から伝える「ひめゆり平和祈念資料館」(沖縄県糸満市)が、展示を大幅に刷新して1年になる。身近に戦争体験者が一人もいない世代にも届くように。揺らがぬ誓いを力強く発信できるように。そう願って、学芸課長の古賀徳子さん(51)ら戦後生まれの職員が手探りを重ねる。沖縄県が日本に復帰して、今日で50年。生まれた時代も歩んだ日々も全く違う誰かの記憶を受け止めるには、何が必要なのだろう。体験の継承という困難に息長く取り組む資料館を訪ねた。(新開真理)
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