「今度の映画、怖いらしいね」。監督を務めた毎日放送報道情報局ディレクターの斉加(さいか)尚代さん(57)が知人から掛けられた言葉だ。撮ったのはホラー映画ではない。歴史教科書の記述や採否への政治介入の実態を追ったドキュメンタリー映画「教育と愛国」だ(各地で公開中)。新著「何が記者を殺すのか」(集英社新書)では、メディアの側の萎縮を伝える斉加さん。自由、平等、人権、平和の大切さ…といった価値観が揺らぐ現状について、「実際に起こっていることが真のホラーかも」と苦笑しながら語ってくれた。(片岡達美)
-今回の映画は2017年に放送されたドキュメンタリーを基に、追加取材をして完成させたそうですね。急変する日本の教育現場を目の当たりにして驚きました。
残り文字数 2515 文字 記事全文 2837 文字