よりよい未来のために/記録とは弱者のもの
全国各地で災害が相次ぐ中、関連資料を保全し、後世へと継承していく災害資料学の分野で研究者の模索が続いている。「資料がなくなれば、やがて事実はなかったことになってしまう」と話す神戸大学人文学研究科の学術研究員、佐々木和子さん(70)も、その一人だ。長年にわたって官民さまざまな立場から兵庫県内で被害が起きた空襲、そして阪神・淡路大震災の記録保全に関わってきた。「記録とは弱者にとってのもの。戦災も震災もなかったことにしたくはないのです」。強い思いが活動を支える。(仲井雅史)
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