深ヨミ

神戸大学学術研究員 佐々木和子さん
戦災、震災関連資料を守り伝える意味とは?

2023/04/16 14:15

佐々木和子さん(ささき・かずこ)1952年生まれ。関西大大学院で近代史を専攻。兵庫県震災資料収集保存事業に参加後、2002年から神戸大で地域連携推進、現代資料保存活用事業を担当。20年から現職。芦屋市在住。

よりよい未来のために/記録とは弱者のもの


 全国各地で災害が相次ぐ中、関連資料を保全し、後世へと継承していく災害資料学の分野で研究者の模索が続いている。「資料がなくなれば、やがて事実はなかったことになってしまう」と話す神戸大学人文学研究科の学術研究員、佐々木和子さん(70)も、その一人だ。長年にわたって官民さまざまな立場から兵庫県内で被害が起きた空襲、そして阪神・淡路大震災の記録保全に関わってきた。「記録とは弱者にとってのもの。戦災も震災もなかったことにしたくはないのです」。強い思いが活動を支える。(仲井雅史)


 残り文字数 2487  文字 記事全文 2743  文字

特集記事一覧
PC SP