多様な言葉、価値は全て平等/踏み込んで互いを理解するために
神戸新聞の連載「かなしきデブ猫ちゃん マルのはじまりの鐘」の絵本に推薦文を寄せたフィールド言語学者の吉岡乾(のぼる)さん(43)は、実地調査が前提の仕事なのに、現地に行くのが大嫌いと公言している不思議な人だ。世界には7千を超す言語があると言われるが、吉岡さんが研究しているのはパキスタンの山奥で消滅の危機に陥っている、いくつかの言語だ。今年4月、コロナ禍での巣ごもり生活を終え、3年ぶりに現地での調査を再開した。帰国した吉岡さんに早速、聞いてみた。大嫌いな調査でつらい思いをしながら言語を研究、記録する理由とは?(前川茂之)
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