淡路の大観音像、本体解体が始まる 壁材の飛散防止に「前掛け」 損傷激しい穴周辺から撤去

2021/09/27 22:13

飛散防止のシートを首から垂らし、本体の解体工事が始まった世界平和大観音像=淡路市釜口

 解体撤去に向けた工事が進む兵庫県淡路市釜口の「世界平和大観音像」で、本体の解体作業が始まった。壁材の飛散を防ぐためのシートが取り付けられ、首から前掛けを垂らしたような姿になった。(内田世紀) 関連ニュース 解体工事中の観音像から“ビーム”が!? その正体は… 放置から10年以上、高さ100mの巨大観音像どう壊す? 巨大観音像をドローンで撮影

 工事は今年6月にスタート。これまでに現地事務所の設置や雑草の除去、台座部分の内装撤去など準備していた。当初は9月から観音像を囲む足場を設置し、上部から順に壊していく予定だった。
 しかし、事前の調査で、2014年の台風などでできた穴の周辺が風雨にさらされ、想定以上に劣化していることが判明。このまま足場を組むことは危険と判断し、もろくなった部分を先に除去するよう、計画の一部を変更した。
 今月20日ごろから、像の首の部分にある展望台から綱を垂らし、足元まで3枚の細長い養生シートを掛けた。その後、像の内部から壁面のモルタルを壊し、内側に落とす作業を進めた。27日には、像の左脇腹部分の穴が大きくなり、内部の鉄骨などが見える状態となった。
 国から工事を請け負う大阪市の建設会社は、「危険を回避しながら工事を進めている。10月には足場を組み始めるめどが立った」とする。淡路市などによると、観音像の解体は来年6月ごろまでかかる見込み。台座の撤去など全ての工事完了は23年2月下旬を予定する。

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