<明日を選ぶ>兵庫県稲作経営者会議会長・堀謙吾さん

2021/10/29 10:25

堀謙吾さん

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 兵庫県丹波市青垣町の山あいで農業法人を営み、約20ヘクタールの田んぼで主にコメを作っています。銀行員、地元の役場勤務を経て17年前、両親の農業に加わりました。当時、30キロで1万5千円だった米価は8千円にまで下がりました。コメの消費量は減り続け、7年前には1世帯の支出額がパンに抜かれたのですから当然かもしれません。
 田んぼで麦や大豆などを作れば、国から交付金がもらえます。けれど、土壌や日照条件でコメしか作れない農地もある。別の機械も用意しなければなりません。
 高齢化も深刻です。私の住む中佐治地区には33ヘクタールの農地があります。就農した頃は20軒が耕作していましたが、今は6軒だけ。高齢で作業できなくなった田んぼは誰かが引き受け、これまでのところ、ほとんど放棄田はありません。
 うちの農地も3倍に広がりました。ただ、今以上に預かるには、人も機械も必要ですが、どこまでできるか不安です。もっと担い手を支えてほしいと思います。
 過疎が進んで、4年前に地元の小学校がなくなりました。このままでは、地域総出で行うあぜの草刈りもできなくなる。田んぼはきれいでも、周りが空き家だらけなんてことになりかねません。地域あっての農業です。農村を守る施策を期待します。(山路 進)
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