センキョって?新人記者×ひょうご参院選【5】出口調査

2022/07/09 05:30

出口調査に使ったタブレット端末

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 出口調査に行くようデスクから言われた。投票所出口で待ち構え、投票を終えた有権者に声をかけ、アンケートに答えていただく…協力してもらえるだろうか。
 期日前投票の会場に向かった。ここで出口調査を行うことは、事前に選挙管理委員会の了解を得ている。通行の妨げにならないよう注意しながら、作業を始めた。テレビ局や全国紙の調査員もいる。
 デスクの指示は細かかった。「10代から70代以上まで幅広く」「男女比も均等に」「グループからは1人だけ」「時間も適度に空けて」…。
 「すみません、神戸新聞の出口調査です」。声をかける。「ああ、出口ね」。意外にもたいていの方が応じてくれた。本当にありがたいと思った。
 回答にはタブレット端末を使ってもらう。昔はアンケート用紙に直接記入してもらっていたそう。端末を回答者に手渡し、少し離れた場所で待つ。早い人だと1分、長くても3分。
 アンケート結果は、端末から自動的に本社に送信される仕組み。だから、こちらのペースも会社に把握されている。「伊藤君、少しペースが速いよ」とデスクから連絡があった。時間を適度に空けなくては。
 デスクによれば、時間や年代、性別、場所などが偏らないように広く調査することで精度を上げる。投開票日当日の調査と合わせ、どの政党や候補が得票を伸ばしそうかを分析するのだという。開票前に「○○党が優勢」「○○氏の当選確実」といった報道ができるのは、こうした調査と記者の取材に基づいている。
 「これから開票作業を始めるのに『当確』って聞くとちょっと…」。開票作業の経験がある公務員男性がぼそり。でも、快く出口調査には答えてくれる。
 若者の投票率は低いと聞いていたが、10代、20代の姿も。家族と一緒に来ている人もいる。声をかけてみよう。
 ご協力いただいた方々にこの場を借りて、感謝いたします。(伊藤颯真)
【バックナンバー】
【4】街頭演説
【3】選挙の授業
【2】届け出会場
【1】七つ道具って何

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