センキョって?新人記者×ひょうご参院選【6】投票率

2022/07/16 05:30

参院選の投票を呼びかける県選管職員。右は「めいすいくん」=神戸市中央区雲井通8

■どう伝えれば関心高まるか 関連ニュース 外国勢力の選挙介入対策に着手 真偽不明の情報、誹謗中傷が拡散 野党、関税交渉と消費減税で攻勢 両院で与党少数、初の論戦へ 戦中生まれの国会議員6人に減少 記憶継承が永田町でも課題に

 参院選が終わった。私は投票率が気になっていた。兵庫選挙区は51・62%。前回より3ポイントほど上がった。とはいえ、まだ有権者の半分ほど。やっぱり低い。
 実は投開票日の2日前、県選挙管理委員会の投票啓発活動に参加させてもらった。夕方、JR三ノ宮駅前でのティッシュ配り。道行く人たちがどれぐらい選挙に関心があるのか。それが知りたくもあった。
 「着てください」。現場で法被を渡された。背中に「選挙に行こう」とプリントされている。不安もあったが、やるぞ、と気合を入れた。
 総勢およそ30人。県のマスコット「はばタン」に、投票箱をモチーフとした選挙啓発のマスコット「めいすいくん」もいる。「7月10日に参議院選挙があります。皆さん投票に行ってください」。選管職員が呼びかける中、選挙日が書かれたティッシュや除菌シート、選挙について簡単に学べるチラシを配った。
 あれ、思っていたより受け取ってくれる人が多い。「ああ、日曜選挙か」「投票行かな。忘れてた」。そんな声もちらほら。「めいすいくんかわいい」と写真を撮る人も。神戸市西区の大学生、乾飛雄さん(18)は「投票に行こうと思いながら忘れていたけど、今日思い出せた」と話す。啓発活動は、忘れかけていた予定を思い出させてくれるリマインダーのような役割になっているのかも。
 「地道な活動だが、できるだけ多くの人に広く知らせることができると思う」と選管書記長の梅田孝雄さん(52)。確かにそうだ。選管は若者向けの啓発にも力を入れている。これをきっかけに投票に行く人が1人でも増えてほしい。
 45分間、ティッシュを配りながらこうも思った。手に取ってくれた人の多くは選挙があることは何となく知っている。だけど、どんな人が何人立候補し、投開票日がいつなのか、というところまではあまり知られていないのではないか-。
 初めての選挙取材は終わった。記者として何をどう伝えれば、関心が高まるんだろう。51・62%。この数字を忘れない。(領五菜月)
=おわり=
【バックナンバー】

【5】出口調査

【4】街頭演説
【3】選挙の授業
【2】届け出会場
【1】七つ道具って何

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ