経済大転換 「失われた30年」を超えて
第1部 創造の培地(中) 構造改革路線の果てに
牛尾治朗(91)。ウシオ電機(東京)の創業者というより一時代を画した大物財界人としてその名が通る。阪神・淡路大震災のあった1995年に経済同友会代表幹事に就任し、日本経済の構造改革を訴える「市場主義宣言」で脚光を浴びた。
政界と関係が深く、小泉純一郎政権(2001~06年)の経済財政諮問会議では担当相竹中平蔵らとともに影響力を発揮した。後任首相安倍晋三とは縁戚関係にある。官主導から民主導へ。小泉の「骨太の方針」、安倍の「アベノミクス」の背景には牛尾の市場主義に基づくイノベーション(変革)の理念が流れる。
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