ひょうご中小企業就活ガイド2016
(株)ユタックス
肌当たりのよいシームレス下着が大ヒット女性用下着の副資材一筋で歩んできたが、近年開発した“シームレス下着”が大ヒット。独自の生産技術を持つアパレルメーカーとして新たな一歩を踏み出している。
自社ブランド「SMOON(スムーン)」で展開する女性用ショーツの最大の特長は、1枚の薄いストレッチ素材の生地を貼り合わせて製品にしているところだ。伸縮性のある素材がきつすぎず、ゆるすぎず肌にフィットし、「履いていて楽」「ズボンにショーツのラインが目立たない」と女性から幅広く支持を得ている。
自社開発の機械を使い、長年培った接着技術を生かして毎時千枚単位で生産していく。「ミシンによる縫製工程が不要で、接着はすべて機械任せ。労働集約型産業であるアパレル産業の可能性が大いに広がる」と宇高章平社長の言葉が熱を帯びる。
創業来、女性用下着のホックやワイヤー、アジャスター金具などの副資材製造に特化し、業界トップの地位を築いた。
1990年代前半から相次いでアジアに生産拠点を移してきた一方、国内の空洞化が大きな課題となっていた。その頃出合ったのが、特殊な編み組織により切り端がほつれずカールしないナイロン素材。「これを裁断し、貼り合わせれば製品がシンプル、かつ大量に生産できる」。副資材を多用し、手作業でかつ多くの生産工程を必要とする従来の下着とは一線を画する商品だ。
これが大手衣料品店の目に留まり、7年前にショーツをOEMで商品化。あっという間に年間800万枚を超えるヒットにつながった。また、大手下着メーカー向けにブラジャーも商品化。「外行きの下着を着けるほどではない、かといって何も着けない、の間のニーズを掘り起こしました」と、これも年間100万枚に迫るヒット商品に育った。
1年前から自社ブランド「SMOON」でノンワイヤーブラジャー、シームレスショーツなどの直接販売も強化。下着の新たな商品展開も視野に入れる。来年には本社工場の隣接地に工場を増設。「ほぼ無人化した生産ラインにし、アパレル工場のイメージを刷新したい」と宇高社長。アパレル産業の新たな可能性を切りひらくチャレンジが本格化する。
〈所在地〉西脇市野村町201ー1 TEL0795・23・5511




















