「和」をテーマにしたホテルの戦略について語る三輪谷光雄総支配人（右）

ヒノキ風呂が付いたスイートルーム

　２０１１年１２月、淡路島を中心にホテルや旅館を運営するホテルニューアワジ（洲本市）が、米投資会社から買収したのが神戸ベイシェラトンホテル＆タワーズ（神戸市東灘区）だ。経営難のホテルを再生してきたノウハウを生かし、源泉掛け流しの温浴施設を新設するなど「和」をテーマに集客を図る。

ーホテルの客層は。

　「外資系企業が多い六甲アイランドの特徴もあり、ビジネス客が多かったのですが、今は家族客、女性、年配の方を核としています。３世代で泊まれる部屋も設けました。修学旅行生も受け入れていますが、これは将来への投資です。近畿圏のお客さまが７～８割を占めます」

ー温泉が好評ですね。

　「温泉目的の人が増え、リピーターづくりに役立っています。外国人観光客の後押しもありますが、宿泊客数は１８％増えています。神戸には大型ホテルがいくつもあり、六甲アイランドは橋を渡るハンディがある分、他と同じ戦略では勝てません」

ー今後の取り組みは。

　「約１４億円をかけた改修は一段落し、今後はソフトに力を入れます。旅館の包み込むようなおもてなしをホテルで味わってもらう。当社が得意とするところです。例えば、浴衣のまま温浴施設に行けるフロアもあるんですよ。淡路島へも足を延ばしてもらおうと、地元農家から仕入れた野菜を販売したり、レストランで使ったりしています」

ー面接時のアドバイスを。

　「型どおりの受け答えをする人が多い。汗だくになってでも、自分の言葉で答えてほしい。ホテルだからと、洗練されていなくていいんです。入社してからいくらでも学べますよ」

　（まとめ・塩津あかね）

〈所在地〉神戸市東灘区向洋町中２ー１３　ＴＥＬ０７８・８５７・７０００