「地域に身近な企業と感じてもらえるような工夫もしていきたい」と語る梶本寿男社長

ロボットを使ったガス器具部品の加工ライン

　厨房にあるガスコンロの部品や温水機器用のガスバルブなどを開発、製造する。１５台のアルミ鋳造装置「ダイカストマシン」を備え、加工ロボットも導入、一日最大２千台分を生産する。高い品質確保のため国家資格「ダイカスト技能士」の取得を推進しており、特級４人を含む２級以上の取得者が４２人いる。

ー会社の強みは。

　「アルミ材からの加工で一貫生産できることです。ここ１０年で可能な限り内製化を進め、技術力や品質の向上につながりました。当社はアルミ鋳造でバーナーキャップを製造した国内初のメーカーです。設計依頼を受けて提案もできます。金型の一部は自社で生産し、多額の費用がかかる金型のメンテナンスも、すべて自前で賄います」　

ー製品に求められるものは。

　「安全性と耐久性、使いやすさです。バーナーには数多くの部品が付いており、ガス漏れのないように高い成型技術が求められます。品質向上のため、毎朝、前日の工程不良などを部署間で共有し、再発防止策や対策を話し合っています」

ー消費増税、原料価格の高騰、住宅着工件数の減少など逆風続きだが、黒字を保っている。

　「原料となるアルミは年間約１５００トンを使いますが、２年前より価格が２割上がりました。燃料を液化天然ガスに切り替えて発熱量あたりの単価を抑えるなど努力しています。販路拡張の可能性も大いにあります。昨年度まで１６期連続の黒字で、今期も達成できる見通しです」

ー求める人材は。

　「チャレンジする人。チャレンジしないと失敗しません。失敗を糧に成長してもらいたいと思います。３、４年のトレーニングできっと一人前になれます」

　（まとめ・竹本拓也）

〈所在地〉朝来市和田山町久留引８４ー１０　ＴＥＬ０７９・６７４・２３２１