ひょうご中小企業就活ガイド2016
(株)宝角合金製作所
荒れる里山の竹林を資源として生かす本業の金属加工技術を応用し、竹を微粉末化する製造機を開発。乳酸菌が豊富な竹パウダーは、農地の土壌改良や生ゴミ発酵、食品など利用が広がっている。放置竹林の拡大とそれに伴う里山の荒廃は全国各地で問題となっているが、逆にその繁殖力を生かして地域資源化する動きも広がり始めている。
ー竹粉砕機開発の経緯は。
「姫路の農業法人に頼まれたのがきっかけです。竹の粉末は多くの用途に使われていて、いろんな企業がそれぞれの加工技術を活用して参入している状況でした。うちの削る技術だと乳酸発酵しやすいより細かい粉が製造可能と分かり、試作を重ねて2010年に発売しました」
ーいま目指していることは。
「竹パウダーの工業利用です。生分解性プラスチックなど工業製品への利用が進めば、使用量が拡大し、竹の供給体制も必要になります。竹は斜面に生えていることが多いので現状では収穫しにくい。どうやって竹を調達するかは課題です」
ー竹粉砕機をタイに輸出していますね。
「タイ政府の事業関連のものもあります。タイでも都市と地方の格差は課題ですが、政府は地方の経済振興策として、各地の農地での竹の大量栽培と粉砕機をセットで導入する戦略を考えているようです。日本の自治体なども放置竹林対策として導入していますが、発想の柔軟性や判断のスピードに差があるように感じます」
ー求める人物像は。
「まず仕事に集中力を持って臨める前向きな人。中小企業の強みは、小回りが利くこと。それには、人とコミュニケーションがとれ、好奇心が旺盛なことも大事です」
(まとめ・辻本一好)
〈所在地〉姫路市飾磨区中島1345ー2 TEL079・234・4116




















