ひょうご中小企業就活ガイド2016
(株)上野商事
高付加価値おしぼりで差別化神戸・三宮で製菓販売業として創業後、大判焼などの移動販売を経ておしぼり製造に特化した。「わくわくしようよ」という経営スローガンを掲げる。
飲食店などで出される布おしぼりのクリーニングから梱包まで、加古川にある工場では一貫製造ラインを整えている。
使い捨ておしぼりも製造しているが、心がけるのが「安心、清潔」。ホームページには「安心して顔をふけるおしぼり」とのキャッチフレーズを掲げている。
価格競争が激しくなる中、上野一人社長は「コストを抑えようとすればどうしても何かがおろそかになる」と、他社とは一線を画し、素材消毒薬液にこだわった高付加価値製品で独自路線を貫く。
2009年、創業者である父の跡を受け、経営を引き継いだ上野社長がまず取り組んだのが、同族色の一掃。今では管理職への登用は年齢を問わず、実力主義で判断し、ボーナスも社員同士の評価ポイントで配分している。課長職、係長職の大半が入社5年目以内の社員だ。
さらに取り組んだのが、高付加価値路線への転換。使い捨ておしぼりでは紙をほとんど使わず、強度が高く、肌触りの良いコットン製に注力。院内感染を避けたい病院や介護施設などを中心に、大型のコットンおしぼりの売り上げを伸ばしている。
包装材のデザインにも工夫を凝らす。アイドルのコンサートで配るおしぼりはファンが喜びそうなデザイン、和食レストランで配るおしぼりには和紙を張るなど、独自の提案で顧客の期待を超える商品を企画開発している。
しばらく控えていた新卒社員の採用を昨年、復活させた。「今、第2創業という気持ちで新たなことに取り組んでいる。会社とともに成長していく社員を育てていきたい」と上野社長。「まずは仕事を楽しむことを大切にしてほしい」と呼びかける。
〈所在地〉神戸市東灘区深江南町4ー7ー3 TEL078・451・1891




















