ひょうご中小企業就活ガイド2016
奥井電機(株)
一貫生産体制でニーズに対応かつて神戸港で船舶の電気設備の修理を担い、日本ではまだ珍しかった制御盤を製造した。その技術を磨き続けて多様な製品を手掛ける。
主力の配電・制御システム製品は、火力・原子力発電所をはじめ、上・下水道施設やごみ処理場といった公共施設、製造業の工場などで広く使われている。
求められるシステムの内容も製品の大きさも、設備や工場によってさまざま。板金や塗装も含め、細かな要求にも自社で素早く対応する。
設計、製造、検査からアフターケアまで、すべて自社で行う一貫生産体制をとっているため、顧客ニーズに柔軟に対応できるのが強み。こうした受注製品が、売り上げの6~7割を占めている。
各工程に専門の技術スタッフがおり、多品種少量生産ができる。火力発電所の燃焼効率を上げるセンサーでは国内シェアがほぼ100%。高速道路の料金所で道路に埋め込んで車種を判別するセンサーや、下水処理場で汚泥の濃度を測るセンサーのシェアも高い。
最近では、高速道路の料金所に設置されるETC向けの生産依頼が相次ぐ。ユニークな分野では、城崎温泉(豊岡市)で温泉玉子を1日2千個作る機械を手掛けたほか、液体アルコールを使って食材を急速冷凍し、解凍してもうまみを損わない凍結機も、食品関連企業向けに販売している。
他社には真似のできない、こうしたニッチ(すき間)分野の製品開発に今後も力を入れていく方針だ。
奥井秀樹社長が大切にしているのは、創業者が唱えていた『信用、誠実、合力』という言葉。「顧客を含め、いろんな人と接する中で人間関係をきちんと築いてほしい。みんなで力を合わせて、一つのものを作る会社ですから」と話している。
〈所在地〉神戸市兵庫区西出町1ー4ー3 TEL078・651・1331




















