ひょうご経済プラスTOP ひょうご中小企業就活ガイド2016 (株)神島組

ひょうご中小企業就活ガイド2016

(株)神島組

公害を抑える岩盤掘削で独自の工法を開発

 
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「かち割り君」を使った岩盤掘削作業

「かち割り君」を使った岩盤掘削作業

神島昭男社長

神島昭男社長

 阪神・淡路大震災を契機に「地域に貢献できる会社を」と、公害を抑える岩盤掘削工事に注力。独自に重機、工法を開発し、飛躍的に業績を伸ばす。

 大きな岩を吊り上げる「ツレール君」、岩を静かに割ることができる「かち割り君」をはじめ、岩盤掘削分野で数ーの独自工法を編み出しているオンリーワン企業だ。

 神島昭男社長は2代目。主力の公共工事がバブルの崩壊で激減し、存続の危機に見舞われた。そこで「必要とされる企業」を目指して着目したのが岩盤掘削の分野だった。

 「岩盤掘削は岩を割ったり、運んだりするのに特殊な技術が必要で、騒音、振動、粉じんなどの公害も伴う。そこで効率的で公害も発生させない理想の工法を求め、機械や工具を開発しました」。

 岩盤掘削関連で取得した特許は36件。新工法が業界で定着するまでにはさまざまな壁がある。見学会を頻繁に開催し、効果を間近に見てもらうことで、近年は官庁が発注する多くの工事の仕様書で神島組の工法を採用することが標準になりつつある。

 文部科学大臣科学技術賞やひょうごものづくり大賞の受賞で技術の認知度が高まり、現在は総売り上げのうち、7割を岩盤掘削工事が占めるまでになっている。 

 近年は多くの技術を組み合わせ、「公害抑制型岩盤掘削システム」を構築。各ーの施工環境やニーズに応じた技術提案も可能にした。「早い、安い、静かな岩盤掘削なら神島組」との評判を呼び、住宅地に近い箇所での道路の法面整備や河床掘削など受注が急拡大している。

 無借金経営で、神島社長によると「給与体系も業界では高水準」という。2014年には久しぶりに新卒社員を採用した。「4、5年で現場を任せられるように育てていく。将来は会社を担う人材になってほしい」と期待を寄せる。

〈所在地〉西宮市甲風園3ー9ー5 TEL0798・65・0121