ひょうご経済プラスTOP ひょうご中小企業就活ガイド2016 (株)精和工業所

ひょうご中小企業就活ガイド2016

(株)精和工業所

幅広い分野で溶接を一手に引き受ける

 
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本社前に集まった従業員

本社前に集まった従業員

製造するタンク

製造するタンク

 耐久性に優れるが加工は難しいステンレスを、高い技術力で溶接し、タンクなどを製造する。半世紀超にわたって蓄積した技が多彩な分野で生かされている。

 金属の板と板を張り合わせる溶接が得意分野。家庭用温水器、航空機、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の実験設備など幅広く使われている。

 非常にアナログな技術だが、熱によるひずみなどを少なくするため、溶接装置を自社で設計し、組み立てている。デジタルの時代になっても、蓄積がなければできない仕事といえる。

 注文通りに作るだけではなく、経験を生かして提案することで付加価値も作り出す。

 家電、自動車、産業用機器など、取引先には名だたる大手メーカーが多い。そうした取引先から何度も賞を授与されているのは技術力の高さゆえだ。

 本社がある伊丹に加え、奈良、福知山にも工場を構える。製造業では中小といえども海外に生産拠点を置く例が多いが、山下清一社長は「海外移転が難しいものもある」と話す。

 例えば、当社の主力である家庭用温水タンクは、365日24時間休まずに稼働し、10年、20年と長期間使用される。耐久性が非常に重要になり、高品質が求められるだけに、「国内生産だからこそできる」と話す。

 新分野にも積極的に取り組んでいる。燃料電池を大手メーカーと共同開発しており、現在は国内だけの販売だが、海外へ広がる可能性もあるという。

 新人教育に力を入れ、若手社員にも仕事を任せる。これまで約20人の新卒者を採用したが、辞めたのは特殊な事情があった2人だけだった。

 「企業の成長とともに人も育つ」というのが山下社長の考え方。ものづくりはやったことが形に表れるだけに、仕事の達成感が得やすい。それに加えて、社員の成長を促す社風が、やりがいを高めることにもつながっている。

〈所在地〉伊丹市北本町3ー105 TEL072・782・8353