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ケンミン食品(株)

ビーフンの工夫でトップメーカーに

 
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定番の即席焼ビーフンです!!

定番の即席焼ビーフンです!!

神戸市中央区の本社ビル

神戸市中央区の本社ビル

 米粉100%の麺、ビーフン。本場・東南アジアではスープに入れて食べるのが一般的だが、野菜や肉と炒める「焼きビーフン」を普及させ、国内シェア7割を占めるトップメーカーになった。

 ビーフンは、蒸した米粉を押し出して成形し、もう一度蒸して作る。塩や油を使わず、カロリーは低い。

 食後の血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」に分類されるので、糖尿病などの生活習慣病を気にする人も食べやすい。米だけで作るので、小麦アレルギーの人でも麺類メニューが楽しめる。

 ケンミン食品がビーフン製造を始めたのは戦後の1950年、東南アジアから引き揚げてきた人のビーフンを食べたいという声に応えた。「即席焼ビーフン」は発売55周年を迎え、月間売り上げは約100万食、今も売り上げを伸ばしており、じわじわとファンは増え続けている。

 もっとも、同社の調査では、ビーフンを知ってはいても実際に食べたことがない国民が全体の半分という。いかに手に取ってもらうかは創業以来の課題だ。

 変化の兆しはある。最近、コンビニでビーフンを使った弁当が販売されるようになり、女性から人気を集めている。2015年は創業65年の節目の年。俳優・岸部一徳さんを起用したテレビCMなどで、さらに新たな需要を掘り起こしていく。

 昨年からはマカロニやスパゲティなど、米粉を使ったパスタの生産にも着手した。

 米国では小麦アレルギーの人を対象にした食品が充実しており、小麦を使わないパスタとして注目を集めている。もちもちした食感が特徴で、欧米のバイヤーにも反応が良いという。日米での販売が軌道に乗れば世界市場にも販路を拡大していく方針だ。

 「うちの製品にほれ込んで、食べたことがない人に食べてもらおうという熱意を持った人」。そんなビーフン好きの人材を高村一成社長は求めている。

〈所在地〉神戸市中央区海岸通5ー1ー1 TEL078・366・3000