ひょうご中小企業就活ガイド2016
神戸紅茶(株)
日本で初めてティーバッグ紅茶を製造紅茶のOEMメーカーとして長年歩んできたが、1993年から自社ブランド「神戸紅茶」の製造・販売をスタート。高品質紅茶として着実にブランドが定着しつつある。
1925年に食品卸として創業。昭和初期に日本初の国産紅茶ブランド「三井紅茶」の販売を開始し、57年からは英国の紅茶ブランド「リプトン」の製造も引き受け、日本で初めてティーバッグを生産するなど、紅茶製造の歴史は古い。
だが、OEMを引き受けていた紅茶メーカーが90年代以降、生産拠点の海外シフトを進めたため、それまで細ーと続けていた自社製品の生産を本格化することにした。
神戸は1世帯あたりの紅茶消費量が日本でもトップクラスで、紅茶を飲む舌が肥えている。それまで培ったノウハウや強みを生かし、高品質紅茶のコンセプトで「神戸紅茶」のブランドを1993年に立ち上げた。
「世界160カ所の産地エリアから品質が最も良くなるシーズンに採れる茶葉のサンプルを、日本で数人しかない紅茶鑑定士がテイスティングして買い付け。ティーバッグのフィルターペーパーも茶葉の香りと味がより引き立つコットン素材を使って商品化した」と下司善久社長。同社のこだわりを古くから知る神戸の消費者がすぐさま反応し、販売は予想を大きく上回る好調な出だしとなった。
百貨店の催事などを活用した試飲販売などを通じ口コミで着実に売り上げを増やしてきたが、ブランドのさらなる認知向上を狙って2014年10月に直営店を神戸・御影に、15年3月には神戸・北野に開店。紅茶ファンから高い評価を得ている。
「神戸紅茶」の売り上げは順調に推移し、現在ではOEMの売り上げと拮抗するまでに増えた。「近年、紅茶はコーヒーに押され気味だったがまた見直されつつある。日本における紅茶市場はまだまだ伸びる余地が大きい。おいしい紅茶を知ってもらうことで、紅茶を飲む楽しみを広げていきたい」と下司社長。老舗としての自負を胸に紅茶文化の“伝道”を続けていく。
〈所在地〉神戸市東灘区住吉浜町16ー2 TEL078・822・1001




















