ひょうご中小企業就活ガイド2016
東亜食品工業(株)
各国に日本の乾麺アピール創業70年の乾麺メーカー。2013年にはイスラム教徒が食べられる食品に与えられる「ハラル認証」を、乾麺業界で初めて取得。イスラム文化圏への消費拡大を狙う。
赤や緑の「花色そうめん」や、熟成させた「厄上りそうめん」が人気。主力商品のそうめんだけでなく、ラーメンや日本そば、うどんなど、自社製品は100種類を超える。
食の安心・安全に対する消費者の意識が高まっている点を見据えて、衛生関連の国際規格取得には業界内でもいち早く取り組んできたのも特徴だ。
2002年には「乾麺HACCP(ハサップ)」を、さらには食品衛生の国際規格「FSSC22000」なども取得している。
こうした規格を取得すれば、安全面でも世界市場にアピールできる。外部の専門業者に委託するなどの手法を取らず、社員自ら勉強することで、製造現場での問題意識の共有などに結びつけている。
現在、海外の売上高はまだ全体の数%程度にとどまるが、井上位一郎社長は「将来は2割まで伸ばしたい。そのための第一歩がハラル認証」と話す。
アジア地域を意味する「東亜」の社名には、創業者の祖父が海外にかけた夢がこめられており、30年以上前から輸出を手がけている。人口減で国内市場は先細りだが、海外では和食ブームが広がる。認証を受けたことで、世界人口の4分の1近くを占めるとされるイスラム圏への拡大の可能性が高まってきた。
すでにシンガポール向けの出荷を始めており、今後は東南アジアや中東、さらには日本を訪れる海外観光客にも売り込む。
井上社長が採用したい人物像は「食べることが好きな人、小さな努力を惜しまない人」だという。
どれだけ伝統を積み重ねても、食の安全に対する消費者の信頼は一瞬で崩れ去る。食への関心が高いのは当然として、地味な仕事に丁寧に取り組む姿勢も求められている。
〈所在地〉姫路市御国野町深志野759ー3 TEL079・252・3831




















