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ひょうご中小企業就活ガイド2016

(株)ドンク

海外でも「焼き立て」の味を提供

 
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中土忠社長

中土忠社長

ロングセラーのフランスパン

ロングセラーのフランスパン

 今年で創業110年のベーカリー。本格的なフランスパンを日本に広めて半世紀。国内は北海道から沖縄まで約180店、海外はアジアを中心に26店を展開する。

 多店舗展開でありながら、コンビニやファミレスのように工場で大量生産して配送するのではなく、各店舗で小麦粉から生地をこねて焼き上げ、できたての味を届ける。

 各店舗では早朝から仕込みが始まる。午前8時ごろから焼き始め、パン棚が次々に埋まっていく。開店と同時にどのパンが売れていくかは厨房からもよく見える。混み合う時間帯が過ぎてどのパン棚が空になっているか、どのパンが売れ残っているかは一目瞭然だ。

 商品開発は基本的に各店舗で行い、人気が出れば全店に広げていく。例えば、香ばしさとサクサクした歯ごたえのミニクロワッサン。考え出した北海道の店舗で初日の売り上げ3千円が一カ月足らずで10万円になり、全国的なヒットにつながった。

 パンと一緒に飲み物やサラダを提供する「ベーカリーカフェ」の展開に力を入れているが、フランス料理シェフの経験を持つ中土忠社長は次の一手も見据えている。「おいしいパンと料理、ランチやディナーを提供出来る業態も必要で、レストラン経営の部分も今後、課題になる」と分析する。 

 タイやシンガポールなどに店舗があり、希望すれば海外勤務のチャンスも。採用面でもグローバル展開を意識しており、日本の大学や大学院を卒業したアジアの留学生の新卒採用を始めた。女性の登用にも積極的で、シンガポール店の店長は30代前半の女性が志願して赴任した。

 パリのベーカリーが日本に進出する時代。菓子パンから、ワインや総菜などと楽しむ食事パンへと消費者の嗜好もシフトしている。中土社長は「商品だけでなく、サービスや店の雰囲気も含めてドンク」と考えており、食文化全般に興味があるのはもちろんのこと、ドンク独自の世界観を顧客と共に創造できるような人材を求めている。

〈所在地〉神戸市東灘区田中町3ー19ー14 TEL078・441・2041