ひょうご中小企業就活ガイド2016
(株)西山酒造場
伝統継承し新たな挑戦俳人の高浜虚子が名付けた清酒「小鼓」で知られる蔵元。清酒にとどまらず、発酵技術を生かした新事業や輸出に力を入れる。
若者の酒離れと人口の高齢化が進み、日本酒の消費量は減少の一途にある。その中で、日本酒の質を左右する自然や水に恵まれた丹波に腰を据え、独自の経営を貫く蔵元として知られる。
強みとするのは、創業以来1世紀以上も培ってきた発酵技術。酒かすを使ってせっけんを作り、甘酒ヨーグルトは自社の素材を活用して地元企業と共同で開発した。
日本酒以外のお酒を好む消費者にも着目し、栗焼酎や黒豆焼酎、ブドウを蒸留させた「グラッパ」も商品ラインアップに加えている。
「これまでと同じやり方では展望は開けない。酒造りの伝統を受け継ぐ一方、商品作りや販売方法では新しい発想が必要」と西山周三社長は話す。社員の平均年齢も40歳に満たず、柔軟なアイデアが歓迎される。
近年、日本の優れた製品やサービスに着目する「クール・ジャパン」の一環として、日本酒の海外市場が拡大している。
同社も現在、米国など26カ国に販売しているが、今後、さらに輸出を強化する。今年6月にはモンドセレクションで、「路上有花 葵」が4年連続で最高金賞を受賞した。高品質を積極的にアピールする。
日本酒業界では酒米の確保が大きな課題になっており、兵庫の「山田錦」を筆頭に奪い合いの状態が続いている。同社も酒米の自社栽培に乗り出しており、さらに増やす計画だ。
環境が大きく変化し始めた日本酒業界。西山社長は「機転が利いて柔軟な発想ができ、積極的に考えを伝えられる人。一緒に新しいビジネスモデルをつくっていける、やる気のある人を求めている」と話している。
〈所在地〉丹波市市島町中竹田1171 TEL0795・86・0331




















