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販売方法多様化の狙い

コープこうべ・山口健治常務理事

2017.03.24
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コープこうべ・山口健治常務理事

コープこうべ・山口健治常務理事

 店舗や宅配に加え、ネットスーパーや移動販売、高齢者ら向け送迎サービス…。生活協同組合コープこうべ(神戸市東灘区)が、多様な販売方法に力を入れている。山口健治常務理事(58)は「地域の課題を解決するため、時代とともに事業モデルも変わり続けなければならない」と話す。(長尾亮太)

 -社会の高齢化が事業に与えている影響は。

 「六甲山中腹の団地などにある商圏の限られた店舗で、売り上げが伸びている。かつてはバスや電車で都心部の百貨店へ、または自家用車で郊外のショッピングセンターへ行っていた人たちが、徒歩で行ける近くの店を頼りにし始めたからだ。ニーズに応えるため、手薄だった生鮮食材や総菜の品ぞろえを強化している」

 -店舗への送迎サービスを神戸市北区で始めた。手応えは。

 「車内で同乗者と話しながら行き、店では商品を自分で選べる。一人きりの世界で買い物が完結するネットスーパーと比べ、コミュニケーションによって社会とのつながりを感じられる点で、生協らしい事業だ。人口減少によって店舗を維持できない地域がこれから増えると予想され、移動販売などと併せて必要な供給手法になる」

 -店の商品を周辺エリアに届けるネットスーパーを宝塚でも始め、実施店舗は3店に増えた。

 「ネットスーパーは、あくまで数ある供給手法の一つ。お届けビジネスの主力は、やはり週1回商品を配達する宅配だ。宅配は、午前に注文を聞き、午後に届ける-御用聞きとして始まったが、採算を合わせるため、組合員と話し合いながら今の形を作り上げた。注文当日か翌日に届けるネットスーパーは、その歴史に逆行しているという見方もできる。宅配事業を柱に、地域の多彩なニーズに応えるため、供給手法を磨き上げたい」

 ▽やまぐち・けんじ 81年、灘神戸生活協同組合(現コープこうべ)に入所。コープ園田、コープ甲南などを経て、06年に生鮮食品部統括部長。執行役員や常勤理事を歴任し、15年から現職。西宮市在住。