値下げ、徹底的に収支予測/鉄道を廃止して栄えた町はない
千葉県のニュータウン路線「北総鉄道」は沿線人口の伸び悩みによる赤字経営で、運賃が日本一高いとされてきた。ところが昨年10月、開業から43年を経て初めて値下げに踏み切った。新型コロナ禍による乗客減で各社が値上げする中、「逆張り」に見える戦略が注目を集める。値下げを陣頭指揮した室谷正裕社長(67)は、丹波篠山市生まれの元国土交通官僚。幼少期に親しんだ地元ローカル線の廃止が運輸行政に関わるきっかけだったという。高齢化と人口減少で鉄道ビジネスが岐路に立つ今、室谷さんに聞いた。鉄路を残すために大事なことは何でしょうか。(高見雄樹)
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