JR神戸駅(神戸市中央区)南側の地下街「デュオこうべ」で、会社員を刃物で切りつけるなどし、傷害や銃刀法違反などの罪に問われた男(65)の初公判が12日、神戸地裁であった。被告の男は「アルコールで気が大きくなり、怒りっぽくなっていた」と理由を述べた。
起訴状などによると、男は6月30日午後0時25分ごろ、デュオこうべ浜の手の広場で、当時58歳の男性会社員の右肩をカッターナイフ(刃体約8・5センチ)で切りつけ、けがを負わせるなどしたとされる。
事件直後、男は逃走。現場の地下街には捜査員らが駆けつけ、ものものしい雰囲気になった。
検察側は冒頭陳述で、被告は事件直前に盗んだ弁当をデュオこうべで食べていた、と指摘。被告人質問で男は「前に座る男性(会社員)が私の方をじっと見てきた。頭にきて切りつけた」「歩いている時にマスクを外しているからか、じろじろ見る人が多い。気分の悪いことだった」などと話した。
また、カッターナイフを所持していたのは「野宿生活で襲撃を受けた経験から自己防衛のためだった」と説明した。
検察側は懲役3年を求刑。弁護側は寛大な判決を求め、即日結審した。









