自動運転機能付きの車いす型ロボットカー「ラクロ」を兵庫県姫路市中心部の観光促進に活用しようと、市は２３日から、姫路城周辺や大手前通りで観光客向けの有料乗車体験を始めた。（井上　駿）

　市は昨年から、ラクロを開発した東京のベンチャー企業「ＺＭＰ」などと協力し、足が不自由な高齢者や、駅から姫路城に直行する観光客向けに、時速４キロでゆっくり移動するラクロを用いた社会実験に取り組んでいる。

　今回は、姫路駅と姫路城をつなぐ「大手前通りコース」（３０分・５００円）▽「姫路城周回コース」（６０分・千円）▽みゆき通りコース（３０分・５００円）－の３コースを設定。周回コースでは、専用のグラス（眼鏡）を装着すると、城の歴史を学べたり、登城体験ができたりする拡張現実（ＡＲ）のコンテンツもある。

　２２日の関係者向けイベントで試乗した姫路御幸通商店街振興組合の浜本卓弥理事長は「じっくりとまちなかをみてもらえる。コロナ禍から客足が戻る呼び水にしたい」と話していた。

　社会実験は１１月１９日まで（１０月２４、２６日、１１月２、６、７、９、１６日は休み）。各日午前９時～正午と午後１時半～同４時半で、ＺＭＰ社のウェブサイトから予約でき、発着地の姫路駅北駅前広場と家老屋敷跡公園で当日受け付けも可。雨天中止。市観光課ＴＥＬ０７９・２２１・２１１６