兵庫県加東市大門のパン製造販売会社「西嶋パン」が手掛ける加東市産もち麦を使ったパンが人気を呼んでいる。直営店「アイガー加東店」（同市上中）で毎日、個数限定で販売し、昼ごろまでに完売することも。同店の西嶋直栄店長（２５）は「地元の食材を使い、安心安全のパンを地域の人たちに届けたい」と意気込んでいる。（中西大二）

　同市産もち麦を使った新しい健康パンを普及させる「ひょうごもち麦パンプロジェクト」の一環。同市とＪＡみのり、食品メーカー「マルヤナギ小倉屋」が、県内のベーカリー８社と連携して取り組んでおり、西嶋パンも参加している。

　近年、もち麦は食物繊維を豊富に含む健康食材として注目されている。西嶋店長によると、ふっくらにしにくいなどの理由でパン製造にはあまり使われてこなかったが、もち麦と小麦粉の配合や熟成発酵の仕方など試行錯誤を重ねて商品化した。「地域に根ざすベーカリーとして、かねてから加東産の食材を使いパンを作りたかった」と西嶋店長は力を込める。

　アイガー加東店に並ぶのはバゲットとバンズの２種類。もちっとした食感に加えしっとり感もあり、ほのかに甘みがあるのが特徴だ。健康志向を背景に主に中高年の人たちが買い求める姿が目立つという。

　パンの価格は５０～３００円と、毎日購入できる値段設定に。西嶋店長は「パンを通してみなさんが健康になれるよう地元に還元できれば。加東のもち麦を使い、新たな商品開発も検討していきたい」と手応えを感じている。

　アイガー加東店ＴＥＬ０７９５・４２・８８２４（月曜定休、祝日の場合は翌火曜が休業）