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113年前に開かれた日本初のマラソン大会を再現しようと湊川公園を出発する有志=神戸市兵庫区荒田町1
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113年前に開かれた日本初のマラソン大会を再現しようと湊川公園を出発する有志=神戸市兵庫区荒田町1
神戸市役所前にある記念碑=神戸市中央区加納町6
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神戸市役所前にある記念碑=神戸市中央区加納町6

 日本マラソン発祥の地として知られる神戸市。1909(明治42)年3月21日、神戸-大阪間で「マラソン」と銘打ち初めて開かれた長距離走大会が第1号とされている。

 神戸市中央区の神戸市役所前には「日本マラソン発祥の地」と刻まれた記念碑が立ち、2011年に始まった神戸マラソンのスタート地点になっている。

 「ここが日本におけるマラソンの原点か…」と思いきや、当時のスタート地点は、実は碑がある神戸市中央区ではなく神戸市兵庫区の湊川付近だったという。

 園田学園女子大の田辺眞人名誉教授によると、当初は中央区の東遊園地から大阪の淀川を目指すコースだったが、ゴールまでの距離が目標の20マイル(約32キロ)に満たなかったため、少しでも伸ばそうと今の湊川公園辺りに変更されたそうだ。

 ちなみに神戸マラソン実行委員会事務局によると、市役所前の碑は「あくまでも神戸マラソンを盛り上げるためのもの」。初開催された11年に神戸須磨ライオンズクラブから寄贈された。

 事務局担当者は「113年前のコースを少しでも神戸マラソンでなぞることができれば物語性が増しておもしろいですね」と言いつつ、「ただ、出発地を湊川公園にするのはスペース的に難しいです」とする。

 神戸マラソンは西向きに走りだすが、113年前は兵庫区から中央区へと旧居留地などを通り、芦屋、西宮、尼崎市などを経て今の淀川大橋辺りまで東向きに走った。

 田辺名誉教授は「神戸が日本マラソン発祥の地ということはそれなりに知られているが、兵庫区がそのルーツだということはあまり知られていない」とし、「湊川公園に記念碑があってもいいのに」と話す。

     ◆

 一方、日本初のマラソン大会から丸113年を迎えた3月21日。「日本マラソン発祥地神戸の原点は兵庫区だった!」とPRしようと、地元の有志が当時の大会を再現するために湊川公園に集まった。

 神戸市兵庫区在住の国乗豪さん(29)が会員制交流サイト(SNS)などで呼び掛け、同級生らと「ひとまず走ってみよう」と企画。「なるべくリアルに」と文献などでコースや大会概要を調べ、当時と同じ午前11時半に湊川公園を軽快に出発した。

 まず県道まで新開地の商店街を抜けて南下し、中央区の元町商店街付近や東遊園地を経由して兵庫県芦屋市方面へ。西宮市の西宮神社前や尼崎市の巽橋など当時のコースをできるだけ忠実にたどり、淀川大橋東詰を目指した。道中を撮影し、様子をSNSで発信した。

 国乗さんは「今回は遊び心で走ってみたけれど、いつか市民マラソン大会なんかが開催できれば楽しいですね」と笑顔だった。(大田将之)

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