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少女時代に荒れた生活を送った和田鈴菜さん。親子が絆を深めるイベントを主催し「子どもたちの自然な笑顔が見られるのが一番」とほほ笑む=三木市福井
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少女時代に荒れた生活を送った和田鈴菜さん。親子が絆を深めるイベントを主催し「子どもたちの自然な笑顔が見られるのが一番」とほほ笑む=三木市福井
8月に和田さんらが企画したイベント「0円祭り」。企業や団体の協力を得て無料ブースが並び、親子連れが楽しんだ=三木市福井
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8月に和田さんらが企画したイベント「0円祭り」。企業や団体の協力を得て無料ブースが並び、親子連れが楽しんだ=三木市福井

 子ども時代に家出や非行を経験したメンタルケアコンサルタント和田鈴菜さん(28)=兵庫県小野市=がNPO法人を設立した。同県三木市内で家族向けイベントを企画し、児童虐待やひきこもりなどと向き合う。自身の生活が乱れていたころ、周囲の支えや人の温かさに触れ、自らの生き方を見つめ直した和田さん。「その人が『こうありたい』と思える人生を歩んでいけるように背中を押したい」と話す。(長沢伸一)

 和田さんは、小学生の時にいじめに遭ったことがきっかけで学校に通いづらくなった。万引や喫煙などを重ね、中学時代は家出を繰り返した。中学を卒業後はキャバクラやラウンジで働いた。同い年の男性の子どもを妊娠し、18、19歳の時に出産。夫とはけんかが絶えなかった。21歳の時、母が自死。精神的に追い詰められ、精神安定剤や睡眠薬を大量服用するようになった。夫とも別れた。

 感情を抑えられず、自分の子どもにも当たるようになった。虐待を疑われ、子どもと強制的に引き離された。「大切な子どもたちなのに、本当に自分の行動が伴っていない」。自責の念にかられる中、後に夫となる新たな男性と出会い、人の温かみに気付いた。

 「一緒に笑い合え、どんな状態でも自分を受け入れてくれる。自分の弱みを見せられる人と出会い、もう子どもたちを離さないという決心がついた」。男性との間に新たに2人の子が生まれ、現在は夫と4人の子どもと暮らす。

    ◇

 子どもが好きで、キャバクラで働いていた15歳ごろから家出した少年少女の面倒を見ていた。友人から子育ての悩みなどで頼りにされることも多かった。職場ではパワハラの改善を訴えたが、受け入れられず退職した。「社会の矛盾を改善するためには自分が活動しないと」と、昨年仲間たちと、NPO法人「LD~希望の光」を立ち上げた。新型コロナウイルスの影響で、今年3月から本格的に活動をスタートした。

 家族の絆づくりを目指し、個々の相談に乗り、運動会や七夕のワークショップなど、月に1回親子イベントを開く。「いろんな経験をしたからこそ、子どもたちがどうなりたいのか、そうしていきたいのかを言える社会を目指したい」と力を込める。

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