味や香りの良さで全国に知られる兵庫県丹波篠山市産マツタケの初競りが3日朝、丹波篠山市場(同市郡家)であった。マツタケは今夏、国際自然保護連合の「絶滅危惧種」に指定されたばかり。希少な秋の初物を、地元の老舗旅館「近又」が5本52万円(キロ単価547万円)の“ご祝儀価格”で落札した。
競りに出されたマツタケ5本は計95グラムで大きさは5~8センチ。同市中部の山中で2日午前、市内の男性(62)が収穫した。生育には9月の冷え込みが必要だが、今年は日中の気温が高く、初競りは例年よりやや遅かった。
残暑の厳しさや松枯れの広がりなどの影響で国内のマツタケ収穫量は激減。ピークの1941年は1万2千トンだったが近年は100トン未満が続き、昨年は14トンにとどまった。近又の担当者は「今年も高値になったが、無事に競り落とせてよかった」と話す。贈答品などとして提供するという。(金 慶順)