中国からの貸与期限が過ぎている神戸市立王子動物園(同市灘区)のジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」(雌、25歳)の帰国が、来年1月以降になることが確実になった。返還に向けた中国側との協議が進んでいない上に、渡航前には約1カ月間の検疫が必要なため。タンタンは神戸で21回目の年明けを迎える。
タンタンは2000年7月、繁殖研究や阪神・淡路大震災の被災者を励ます目的で中国から借り受けた。
2代目「コウコウ(興興)」が10年に死んでからは同園唯一のパンダに。2度の契約延長を経て、今年7月15日に貸与期限を迎えたが、新型コロナウイルス禍で直行便が運休し、返還時期は未定のままだ。
日中両政府は11月30日、制限してきたビジネス関係者ら向けビザの申請受け付けを再開。同園は以前から中国側に日程の調整を打診しているが、協議は進展していない。
また、家畜伝染病予防法に基づいて出国前に約1カ月間の検疫措置が求められるため、年内の帰国は不可能に。ネット上では「クリスマスもお正月も神戸で過ごせるんだ!」と歓迎する書き込みも見られた。
土日曜、祝日と年末年始(12月29日~1月1日は休園)の観覧は感染対策のため事前予約制。同園TEL078・861・5624
(初鹿野俊)