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修学旅行について伝える東灘高校の学年通信=神戸市東灘区深江浜町
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修学旅行について伝える東灘高校の学年通信=神戸市東灘区深江浜町

 新型コロナウイルスの感染者が増える中、兵庫県内の高校が修学旅行シーズンを迎える。県立高は旅行を計画する145校のうち8割が12月以降に予定し、感染が広がっている北海道を行き先にする学校も多い。一方で、県教育委員会は11月末、全県立学校に「感染拡大地域」への修学旅行を自粛するよう要請した。「一生の思い出」と生徒が楽しみにする行事とあって、学校は難しい判断を迫られている。(斉藤絵美)

 「基本的には行かせてあげたい。でも、最近『感染が怖い』と不安がる生徒もいます」。東灘高(神戸市東灘区)で2年学年主任を務める白鷹(しらたか)昌樹教諭(45)は悩みを口にする。

 同校は、コロナの影響で行き先を例年のグアムから北海道に変更。1月26日から3泊4日、スキーや小樽観光を楽しむ予定だった。

 しかし、11月中頃から県内感染者数は増加。県教委は修学旅行で感染拡大地域への往来を自粛するよう県立学校に通知した。ただ、「感染拡大地域」の定義は明確ではなく、通知を受けた各校は対応に追われた。

 東灘高は12月1日に2年生に配った学年通信で、「観光場所の変更および旅行自体の実施の有無も含めて協議中です」と記した。現地で観光できない場合を想定し、お土産を事前注文することを検討。日程や場所の変更を考えたが、教員から「3年生になると進路に集中させてあげたい」との声が多く、延期は考えていないという。今後の感染状況を見つつ、旅費のキャンセル料が発生する出発3週間前までに最終判断する。

 篠山産業高(丹波篠山市)は2人部屋のホテルを利用するなど感染予防を徹底し、16日から2泊3日で沖縄本島に出発した。現地で看護師も合流し、毎朝生徒の健康チェックも行う。

 一方、伊川谷高(神戸市西区)は、来年1月13~16日の北海道・ルスツへのスキー旅行中止を決め、15日に2年生に伝えた。飛行機やホテルを貸し切りにできず、体調不良の生徒が現地の病院に対応してもらえるか分からないことも障害になった。

 曽谷功校長(56)は「スキーは単なる旅行ではなく達成感を味わえる大切な行事。行かせてあげたかったが、安全、安心を確保するのは難しいと判断した」と話す。

 県教委によると、11月末現在、これまでに旅行を終えた県立高校は21校にとどまり、10校が中止を決めた。2校が来年4月に延期し、残る112校は本年度中に予定している。

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