病気の予防につながる料理を紹介する連載「医師おすすめ! お手軽健康レシピ」。加齢に伴う「フレイル(虚弱)」をテーマとする4回シリーズの最終回は、「豆腐どんぶり」のレシピを取り上げます。医師にはフレイルを防ぐポイントを解説してもらいます。(記事・井川朋宏、写真・吉田敦史)
〈材料(2人分)〉
ニンジン 40グラム
タマネギ 100グラム(中1/2個)
青ネギ 8グラム
牛豚合いびき肉 40グラム
木綿豆腐 150グラム(1/2丁)
卵 50グラム(1個)
しょうゆ 大さじ11/3
みりん 大さじ11/3
砂糖 小さじ1
湯 30~50cc
油 大さじ1/2
焼きのり 1/2枚
米 150グラム(1合程度)
〈つくりかた〉
1 ニンジンとタマネギは千切りにし、青ネギは小口切りにする。
2 フライパン(または片手鍋)を熱して油を入れ、牛豚合いびき肉、ニンジン、タマネギを炒める。
3 豆腐を入れ、ほぐしながら炒める。
4 しょうゆ、みりん、砂糖、湯を加える。豆腐から水分が多く出た場合は湯の量を減らす。
5 青ネギを散らし、溶き卵を上から回し入れる。
6 炊いたご飯をどんぶりによそい、具材を入れ、のりをちぎってのせる。
■歯磨きで口の中の健康維持 置村康彦・神戸女子大教授
フレイルの一つに、「オーラルフレイル」(口の衰え)があります。高齢になると咀嚼(そしゃく)力が低下し、食べこぼしたり、むせやすくなったりして、食欲が落ちて痩せてしまいます。軟らかい食べ物に偏りがちになりますが、まずは口に合ったものを食べましょう。
併せて、口の中の細菌を減らし、歯の健康を保つためには、歯磨きが重要です。高齢者は誤嚥(ごえん)性肺炎を起こしやすくなりますが、歯磨きをしていると、その発症率が少なくなるという報告もあります。
また、社会的に孤立し、一人で閉じこもると、活動性が低下して筋力が落ちるので、注意が必要です。人との付き合い、つながりを一定程度保つことも必要でしょう。
新型コロナウイルス感染が拡大する中、外に出にくい状況ですが、人の少ない屋外で散歩したり、屋内で体操をしたりして、意識的に軽く体を動かしましょう。米国の医学雑誌では、高齢者の歩行速度と生存年数に関する追跡調査で、歩行が速い方が長生きするという推論が紹介されました。速い方が筋力が保たれているということでしょう。
厚生労働省の国民生活基礎調査(2019年)によると、要介護手前の要支援者になった主な原因として、関節疾患に次いで、高齢による衰弱、つまりフレイルが2番目に高い割合でした。フレイルを減らすことが要支援、要介護の予防につながります。しっかり食事をとり、ある程度運動することを心掛けましょう。
◇協力 神戸女子大教員 榊原美津枝さん、杉岡ふみ子さん、才新直子さん、永井純子さん