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新型コロナウイルス変異株の解析を行っている神戸市環境保健研究所=神戸市中央区港島中町4
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新型コロナウイルス変異株の解析を行っている神戸市環境保健研究所=神戸市中央区港島中町4
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 新型コロナウイルスの「第4波」が懸念されている兵庫県で、コロナ病床がまた逼迫してきた。神戸市では30日、全入院患者の病床使用率が97%、県では60%になり、いずれも緊急事態宣言発令の目安になる「ステージ4(爆発的感染拡大)」を超えた。変異株の増加で入院期間が長期化していることも原因とみられ、感染者数の見かけ以上に病床運用は厳しくなっている。

 コロナの感染「第1波」当初、退院にはPCR検査による2回の陰性確認が必要だった。だが、ウイルスの特性が分かり始めると徐々に緩和され、昨年6月には「発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過」になり、無症状の場合は「検体採取日から10日経過」になった。県内の新規感染者数が1日で300人を超した「第3波」で医療崩壊を免れたのは、この“10日ルール”が大きかったという。

 ところが、今年2月初旬に神戸市内初の変異株が確認された。神戸市は変異株を積極的に検査する独自の体制を構築したが、ウイルスの排出期間に関する知見が不十分なため、変異株の退院条件は、昨年春のように「PCR検査で2回の陰性確認」に戻っている。

 神戸市の病床使用率は、今月10日時点で189床中110床(58%)だったが、その後増え続け、30日には189床中183床(97%)とほぼ満床になった。市健康局の花田裕之局長は「変異株患者は退院まで平均で3週間はかかり、1カ月を超える患者もかなりいると聞いている。2回の陰性確認が病床逼迫を招いている」と話す。

 こうした影響で、25日までに変異株患者6人を受け入れた神戸市内の病院では、入院から3週間たっても退院できないケースが出ている。互いに罹患する可能性も否定できないため、従来株と変異株の患者を自主的に別室で管理しているという。同病院の院長は「ベッドの回転率が悪くなった上に、別室管理すると大部屋のベッドを全部使うこともできない。(病床が逼迫した)第1波に逆戻りしたようだ」と話す。

 神戸市立医療センター中央市民病院では、コロナ専用の臨時病棟が満床状態になっている。市は26日、市立3病院などで計189床運用していたコロナ病床を、通常医療の制限を再び強め、4月中に最大となる211床に戻す方針を発表した。

 3月10日以降のコロナ入院患者はほとんど変異株という市内の別の病院では、院内感染を防ぐため、最も感染防止力が高いとされる防護服を使い、マスクは密閉性の高い「N95」を1回使用ごとに廃棄するなどしているという。(霍見真一郎、長谷部崇)

 

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