兵庫県の井戸敏三知事は15日、新型コロナウイルス対策本部会議の後、県庁(神戸市中央区)で会見した。報道陣との主なやり取りは次の通り。
-(明石、宝塚、伊丹、川西、三田市と猪名川町の)県内6市町を「まん延防止等重点措置」の対象地域に追加した理由は。
「阪神北地域(宝塚、伊丹、川西、三田市と猪名川町)では新規感染者数が前週比2倍近くと急激に増えた。明石市も前週比1・72倍という状況となり、対象地域に加えることになった」
-(13日の)県・市町の懇話会で明石市長から重点措置の対象地域にするよう要望があった。対応の時期としては適切だったか。
「実際、明石市内の飲食店が感染源になった事例は少ないし、神戸からウイルスが持ち込まれたという感染経路もあまり見られない。判断時期については、対策本部会議で決めた我々としては適切と考えている」
-今後の感染状況で対象地域の追加はあり得るか。
「知事の権限で、追加もあり得るし、感染が収まれば解除していくことも考えられる」
-追加措置で結果が出なかった場合の対応は。
「難しい。専門家も変異株対策は重要とおっしゃるが、具体的にこれをやれば有効、ということまでアドバイスはしていただいていないのが実情だ。県民の行動変容を促さなければならないとは考えている」
「次は緊急事態宣言の発令という選択肢もあるが、まん延防止等重点措置との大きな違いは休業要請が出せるかどうか。実際は宣言下でも午後8時までの営業時間短縮で乗り切ってきた。そこまで対策の検討を始める段階ではない」
-香美、新温泉町と鳥取市などでワクチンの共同接種を行う。この取り組みについて期待は。
「元々、但馬西部と鳥取東部は同じ交流圏にあり、従来からインフルエンザの予防接種で協定を結んでいた。住民の安心感につながるのではないか」
-関西広域連合での取り組みは。
「変異株の感染力の強さを理解してもらい、県境をまたぐ移動の縮小や、(5月の)連休中の行動自粛を呼び掛けたい。どれくらい強いメッセージにするのか、来週早々には連合長の仁坂吉伸和歌山県知事と相談したい」
(まとめ・井沢泰斗)
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