阪神・淡路大震災が発生した1月17日に神戸市中央区の公園「東遊園地」で開かれる来年の追悼行事「1・17のつどい」について、実行委員会は10日、公園が再整備工事中のため、入場者を制限し、竹灯籠でかたどる文字の大きさを従来の半分にすると発表した。安全を重視して判断したといい、文字を小さくするなど行事の規模縮小は初めて。
工事は11月に始まり、2023年秋の完了を予定する。園内にはフェンスが張り巡らされ、つどい会場に使ってきた芝生広場への出入り口が減ったことから、実行委は来場者の安全を考慮し、縮小を決めた。
入場制限は、地震発生時刻の午前5時46分前後で、午前5時~6時半。芝生広場や、犠牲者らの銘板が収められた慰霊と復興のモニュメント周辺が対象で、来場状況を見ながら、必要に応じて制限するという。
竹灯籠は毎年、公募でかたどる文字を決め、明かりをともす。今回は文字の大きさを2分の1程度にし、使う灯籠も例年の半分の約2500本に減らす。公募の文字と並ぶ「1・17」の文字は例年、来場者が点灯していたが、今回は関係者のみで担う。炊き出しや展示も行わない。
実行委は当初、会場を東遊園地の南東にある「みなとのもり公園」などに移すことも検討した。しかし、東遊園地には震災犠牲者を悼むガス灯「1・17希望の灯り」があることを踏まえ、実行委員長の藤本真一さん(37)は「そばで開きたかった」と説明。遺族が高齢化する中、変更で会場が駅から遠くなることも懸念した。
「規模縮小が震災の風化と捉えられてしまうかもしれず、悔しい」と藤本さん。「5時46分はみなさんと同じ空間で手を合わせたかったが、今回はテレビの前などで発生時刻を迎えることも考えて、と呼び掛けざるを得ない」と残念そうに語った。(堀内達成)
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