兵庫県内で新型コロナウイルスの新規感染者数が、急拡大している。この5日間は前週の同じ曜日の感染者に比べて2倍前後の高水準が続き、7日は約3カ月ぶりに2千人を超えた。感染力の高いオミクロン株派生型「BA・5」への置き換わりが進み、神戸市の検査では感染が疑われる患者が3割に達した。斎藤元彦知事は「(流行)第7波に入ったという断定はできないが、強い危機感を持っている」と感染防止対策の徹底を呼び掛けている。
直近1週間の1日平均感染者数の推移をみると、第6波のピークは2月10日の5612・9人だった。その後、減少傾向が続き、6月22日には550人台になったが、そこから15日連続で増加している。特に7月に入ってからは増え方が加速している。
要因の一つとみられるのが、BA・5への置き換わりだ。これまではBA・2が主流だったが、神戸市の変異株PCR検査では、BA・5などへの感染が疑われる患者の割合が、6月20~26日は13・6%、同27日~7月3日は30・4%と週ごとに増加した。
感染の再拡大を受け、神戸市は7日、対策本部員会議を開いた。直近の新規感染者の約5割を20代以下が占めることや、BA・5などへの置き換わりが進んでいる状況について情報共有した。
久元喜造市長は、病床の確保とワクチン接種の呼び掛けを強化するよう指示した上で「今後は予断を許さない状況だ。夏休みを控えており、子どもたちを含めた市民の行動がどう変化するかをよく踏まえて対応したい」とした。
斎藤知事も7日の会見で「重症病床使用率は2・8%で医療体制が逼迫している状況ではないが、ここ数日間の病床使用率の伸びは急で注意が必要」と述べた。
飲食店への利用人数制限などの要請は「今のところ想定していない。過度に恐れ過ぎず、マスクを着けるなど気を付けながら社会経済活動と両立することが大事」とし、来週後半に対策本部会議を開いて専門家に意見を聞く方針を明らかにした。(高田康夫、三島大一郎)
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