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 時代は「第4次ベンチャーブーム」。数あるベンチャーの中で、注目すべき起業家はだれか。国内ベンチャーの先駆者・西和彦さん(63)=アスキー創業者、元社長=に尋ねると、尊敬する起業家として楽天会長兼社長の三木谷浩史氏の名前を挙げた。その理由は、楽天モバイルの新しい取り組みと言う。また、自身の体験を交え、ベンチャーが成功する条件なども大いに語った。(聞き手・大島光貴)


 三木谷はすごい。楽天が国内4番目の電話の会社「楽天モバイル」を始めたが、本気だ。成功するんじゃないか、そういう感じがする。通信ネットワークがNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクと全く違う。高速無線インターネットのネットワークになっており、第5世代(5G)移動通信システムを最初から作れる。他社より1世代先に行っている感じがする。基地局も増やし、いずれ全国をカバーするようになると思う。


 各社の5Gネットワークを分析すると、楽天が抜群によかった。これはえらいことだ。スマートフォンとパソコンの連動がしっかりできるようになる。すごく便利になると思う。


 それから楽天の強みは、アンテナと送受信機の物理的距離(の近さ)だ。他社は送受信機とアンテナを長いケーブルでつないでいるが、楽天はアンテナの裏に送受信機がある。10センチぐらい。あり得ないぐらい効率がいい。また、低遅延などの点で、抜群に優れている。


 (携帯電話事業に)一番遅れて4番手で参入するという勇気と、全く新しいネットワークを構築しようとする創造性。この二つは立派だ。僕は楽天モバイルがやっていることに注目している。ベンチャーそのものではないか。



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