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企業研究2020(1)六甲バター(神戸市中央区) 塚本浩康副社長(44)
「Q・B・B」ブランドで知られる家庭用プロセスチーズの最大手。棒状の「スティックチーズ」や、1枚ずつ包装したスライスチーズを開発するなど、市場に革新を起こしてきた。次の時代に向けた挑戦について、塚本浩康副社長に話を聞いた。
-どんな歴史がありますか。
「社名に『バター』とありますが、実際に作ったり売ったりしたことは、実は一度もありません。マーガリンのメーカーとして創業し、当時マーガリンが『人造バター』と呼ばれていたことから、1954年に現在の社名に改めました。今は、売り上げの95%がチーズで、ほかにチョコレートやナッツも販売しています」
-課題は。
「新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、ピザ用チーズや主力のベビーチーズなど、家庭用商品が大きく伸びましたが、売り上げの約3割を占める業務用が落ち込みました。ホテルや居酒屋以外に、新しい販売先の開拓や、新商品の提案などが必要です。また、外食や食生活、健康などに対する考えにも変化が生じています。子育て世代やアクティブシニア層を中心に、需要を的確に捉えていかなければなりません」
-今後のビジョンは。
「チーズの原料である牛乳を巡っては、牛が出すメタンガスが地球温暖化を加速させるとして問題視する動きがあります。持続可能な商品も考えるべきテーマでしょう。目標は『世界一のプロセスチーズメーカーになる』。これまで培ってきた知識や加工技術を生かしていきたいです」
-求める人材は。
「時代の変化のスピードが速まっています。自分で考えて行動できる人こそ、戦力になると思います」(まとめ・中務庸子)
【メモ】1948年、前身の平和油脂工業が創業。社員427人。2019年12月期の売上高は539億4700万円。各種チーズを製造販売する。20年春採用が15人、21年春は9人を予定。神戸市中央区坂口通1の3の13。TEL078・231・4681